肝臓がんHEPATOBILIARY CANCER

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日本のがん死因において、トップ5内に入る疾患です。
当院では、エコー、CTを駆使して、早期発見に努めています。
肝がんは、ウィルス肝炎やその他非アルコール性脂肪肝炎、飲酒がお好きなかた、糖尿病のかたは注意しなければなりません。

肝がんガイドライン

肝がんガイドライン
  1. 腫瘍マーカーの上昇、超音波の描出不良などを理由に超音波で結節の描出がなくても、CT/MRIを撮影する場合もある。
  2. Gd-EOB-DTPA造影MRIもdynamic MRIに含まれる。
  3. Gd-EOB-DTPA造影MRIを撮影した場合は、肝細胞相の低信号化をwashoutと同様に扱う。ただし、海綿状血管腫はGd-EOB-造影DTPA肝細胞相で低信号を示すので、同時に施行されるMRIの他の撮影法と併せて除外する。
  4. 初回画像検査がdynamic CTであった場合、Gd-EOB-DTPA造影MRIが第一に推奨される。
  5. 超音波が病変が描出されている場合、超音波検査での経過観察を行う。描出されていない場合、Dynamic CT/MRIでの経過観察も考慮される。
肝がん

大量飲酒習慣がある患者さんに発生した肝S8a-cに発生した肝がんの症例です。

肝がん 肝がん 肝がん

肝がんの1例です。門脈臍部や中肝静脈の根部からは距離があり、“拡大内側区域切除術”が治療として妥当な症例です。肝臓は“区域ごと”に観察するのが重要です。
肝がんの典型例では、時相によって造影剤が染まって、抜けるのがよくわかります。

肝がん 肝がん
左:動脈相 右:門脈相

肝がん前区域切除術後 内側区域S4bに再発

肝がん前区域切除術後に、内側区域S4bに再発した症例です。
一旦肝がんと診断されると、基本的には生涯にわたって、再発を監視し続けなければなりません。
わかりにくいですが、よくみると、染まって抜けています。

肝がん前区域切除術後 内側区域S4bに再発
左:動脈相 右:門脈相

FIB4 – index

肝がんなどで死亡率が高まる危険因子

肝の“硬さ”を簡単に計算する!
肝臓は、“硬くなる”と、“がん” が出やすくなります。

硬くなる指標として、汎用されるのが、“FIB4-index”と“腹部超音波”です。
以下の簡単な項目から算出されます。

  1. 年齢
  2. AST・ALT(血液検査)
  3. 血小板数(血液検査) 15万未満は特に注意!

FIB4 2.1以上 で肝がんの発症リスクは 21倍 となります。
Tateishi R. J Gastroenterol 2020

NAFLD/NASH
C型肝硬変

C型肝硬変です。肝臓辺縁が“ごつごつ”しています。
ルビエル溝の外側方向、S5に肝がんが出現して、ラジオ波凝固で治癒した症例です。

C型肝硬変
左:動脈相 右:門脈相
肝硬変

肝臓は硬さのイメージが重要です。辺縁から推定される硬さが最も重要ですが、シェア・ウェーブ・イメージングとういう硬さの指標でも、評価することが可能です。単位として大体1.5m/s程度までが通常です。

肝硬変
この症例は、正常肝症例です。辺縁がすっきりと追跡できるのに加え、Shear wave imagingでも正常です。
症例①
肝臓の辺縁がごつごつしています。肝臓が硬いことがイメージされ、硬さにつれて、肝がんの発生頻度が上昇します。
症例②
シェアウェーブイメージ

肝臓は硬さが大事!!
肝臓が硬くなるにつれ数値が上昇します。シェアウェーブイメージと言われる測定方法です。クリニックレベルでは計測不可能ですが、当院ではアプリオ450という医療機器によって評価することができます。

肝がん
Liver fibrosis in viral hepatitis. Radiology 2009
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