甲状腺THYROID
以下のような事がありませんか?
- 頸部が腫れている
- 疲れやすい、動悸・浮腫みがある
- 関節痛や肝機能障害がある
早目に医療機関へ相談しましょう。
浮腫み、疲れや動機などが代表的な症状です。心疾患や関節痛、肝機能障害まで広範囲に関連するので、どの疾患も1度は甲状腺疾患を疑う必要があるほど、日常にありふれた疾患です。
甲状腺疾患は日本では500万人、10人に1人と言われるほどとにかく多い疾患であり、血液検査と超音波検査の2つが重要です。基本的なスクリーニングはこの2つ、数日で評価可能です。
良性疾患
①バセドウ病 ②橋本病 ③亜急性甲状腺炎 ④無痛性甲状腺炎
血液検査から紐解く診断フローチャート
甲状腺疾患の血液検査は以下が重要です。ホルモン値2つと自己抗体3つを合わせた、合計5つです。
- ①甲状腺ホルモン 2つ
- TSH、free T4
- ②自己抗体 3つ
- TSHレセプター抗体=TRAb、抗サイログロブリン(Tg)抗体(Ab)=TgAb、抗ペルオキシダーゼ(TPO)抗体(Ab)=TPOAb
甲状腺疾患を要約すると 下記の3点が重要です。
- TSHは高いか低いか?
- 自己抗体は出現しているか?
- 超音波で甲状腺が大きいか、小さいか?結節があるか?
悪性疾患
①甲状腺乳頭がん・・・etc
- バセドウ病
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ドップラーエコーにて甲状腺内部血流がびまん性に異常豊富となり、上甲状腺動脈の流速が60m/s程度となっている症例です。
- 橋本病
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背景甲状腺はいわゆる“粗雑”で、ぱっと見、すかすかしています。 悪性リンパ腫 を合併することもあり、生涯にわたって注意が必要です。
- 甲状腺乳頭がん
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甲状腺右葉に境界不整、辺縁不整、内部不均一で一部石灰化を伴い、長径30mm程度の内部血流を伴う腫瘤を認めます。甲状腺全摘に至りました。
- 甲状腺がん再発
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甲状腺乳頭がん切除術後10年以上の時を経て、左側頸部リンパ節に再発した症例です。
左総頚動脈周囲に、10mmを超えるリンパ節腫脹を認め、再手術に至りました。腫大したリンパ節は辺縁不整・内部不均一で、“丸まった”(縦横比が高い)形です。
術後は定期的な頸部エコーを行いましょう。エコーの時間は、約5-10分程度です。